東京では足立の花火を皮切りに各地で夏の花火大会が開催されます。いずれもわりと規模の大きな花火大会で、1万発くらいは上がるのでしょうか?そんな夏の風物詩、花火を撮影してみたと思ったことはありませんか?一眼レフカメラと三脚、そしてレリーズという道具があればわりとカンタンに撮影することができます。一眼レフカメラが得意とする分野の撮影ですので、一眼レフカメラを購入したらぜひ、やってみてください。
場所取りが肝心
まず、東京都内で開催される花火大会はいずれも非常に混んでおり、半ばお花見みたいな感覚で、朝から場所取りをされている方もいらっしゃるほどです。河川敷には木陰もなく、日中非常に暑くなり、夜は風が冷たくなったりするので、上に一枚羽織れるものを持ち、折り畳み式のクーラーバッグにビールやお茶などの飲み物をたくさん入れ、保冷剤でサンドウィッチし、座れるようにレジャーシートを持ち、日差しおよび紫外線除けで晴雨兼用の日傘も持つといいかもしれません。
夕暮れどき↓↓↓
ちょっと小さくてわかりにくいかもしれませんが、対岸の土手にもたくさんのひとがいらっしゃいます。この日は午後2時くらいからスタンバっていました。ワタシが陣取った土手のほうはさほどではありませんでしたが、対岸の土手は午後2時ころにはすでに埋まっている状態でした。
昨今、ゲリラ雷雨が頻発しているため、黒い雲が近づいてきたり、雷鳴が聞こえてきたら、勇気ある撤退も必要です。機材を濡らすというのもありますが、命の危険すらありますので、そんなときには、荷物を全部片付けて、橋の下などに逃げましょう。テレビなどでは堅牢な建物に入ってなどといったりしますが、河川敷のそばにそんな堅牢な建物を見たことがないので、完全に撤収するか、一時的に避難するかで逃げる方向も変わってくるかと思います。人が多いので、カンタンに逃げられないかもしれませんが、場所を取る際には避難経路も確認しておいたほうがいいでしょう。
花火撮影に必要なもの
花火撮影に必要なものは、デジタル一眼レフカメラ、三脚、そしてレリーズです。おそらくマニュアル撮影のできるコンデジでも撮影が可能かと思いますが、シャッタースピードの調整ができるかどうかは調べる必要があります。レリーズとは、ざっくりいうと、シャッターボタンを押しっぱなしにできる道具です。このレリーズがお手持ちのコンデジでも使えるようであれば、花火の撮影もできる可能性が高いと思われます。レリーズはメーカーの純正品以外にサードパーティー製のものも多くあります。ワタシはニコンユーザーですので、サードパーティー製で購入するなら、ニコンのカメラ対応のものを選ぶ必要がありますが、以前購入したレリーズの中で、キチンと動作しないものがあり、大変困ったことがありましたので、レリーズについては純正品を選ばれるほうがよろしいかと思います。ニコンのレリーズにはリモコン式のもの、シャッターボタンしかない簡便なもの、そして、タイマーレリーズと3モデルありますが、ワタシのオススメは簡便なものです。値段もさほど高くもなく、ただ単純にシャッタを開けたり切ったりするだけですので、これで十分なかんじです。
三脚はカメラを固定するのに大変重要なアイテムです。詳しい記事はほかに譲りますが、耐荷重の表示もメーカーによってまちまちといいますか、業界団体で特に基準があるわけでもなく、日本メーカーはわりと小さめの耐荷重量の記載をしていますが、海外メーカーはわりと大きな耐荷重量の表示をしていたりして、どの三脚がご自身のシステムに十分なものなのか非常に迷う部分だと思いますので、このあたりは、価格コムのクチコミや家電量販店で、三脚に詳しい販売員の方に聞いてみるといいと思います。ワタシのおすすめはカーボンファイバー製の三脚ですが、値段かかなり高くなりますので、あとはお財布との相談ですが、カメラを載せる雲台の部分の形状も含めていろいろと検討していかないといけない部分です。あとは、同じシリーズだと、三脚の脚の段数によって縮長が変わったりします。段数が多ければ、それだけ縮長が短くなるということですが、下のほうのパイプ径は細くなってしまいます。ということは剛性に不安要素を抱えるということになりますので、このあたりも詳しい方に聞いてみたほうがいいと思います。
三脚の選び方を私見で書きましたので、よろしければ併せてコチラもどうぞ。
三脚の選び方↓↓↓
三脚の選び方
準備と設定
場所が確保できたら三脚を立てて撮影準備をしておきましょう。河川敷や海辺の花火大会では花火が打ちあがる方向はなんとなく見当がつきますが、隅田川の花火大会で吾妻橋付近まで近づけなかった場合、どのあたりに花火が打ちあがるのか皆目見当がつかないことがあります。こうなると困っちゃうのですが、その場合、とりあえず、ピントは無限遠のマークのところに合わせましょう。ピントリングにメモリのないものの場合、とりあえず一番広角端にして一枚とってみるといいと思います。ピントが甘ければ微調整し、OKならその状態をキープします。
設定はこんなかんじです↓↓↓
- マニュアルモード
- マニュアルフォーカス、手ぶれ補正オフ
- ISO100
- F9~22
- シャッタースピードは”bulb“
ワタシのようにふだんISOオートを使っていらっしゃる方は、ISOオートは確実に「しない」にし、ISO感度を100に設定する必要があります。ISOオートのままですと、ISO感度が勝手に上がってしまい、意図した写真が撮れなくなってしまうので注意が必要です。
マニュアルフォーカスで、長時間露光するため、手ブレ補正機構はオフにします。手ブレ補正機構がオンのままですと、誤作動を起こす可能性がありますので注意が必要です。なお、ニコンの場合、中級機以上のカメラにはフォーカスモードセレクターというレバーがついていますので、これをMに切り替えて使うようにしてください。AFのままMFで使ったりすると故障の原因になるそうです。
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マニュアルフォーカス、手ブレ補正オフ↓↓
NDフィルターをお持ちであれば、使われたほうがよろしいかと思います。被写界深度は写真の撮れ具合に応じて変えればいいと思いますが、ふだんよりちょっと大きい数値を選ばれたほうがいいと思います。暗闇で花火はかなり明るく写るため、できればND4プラスF9くらいのかんじがいいでしょうか?
シャッタースピードはbulb(バルブ)という特殊なシャッタースピードを使います。コレは何かというと、シャッターを押している間、ずーっとシャッターが開きっぱなしになり、シャッターを離すとシャッターが切れるという設定です。撮影者が任意でシャッタースピードを決められるモードをbulbモードといい、通常マニュアルモードにし、シャッタースピードを決めるダイヤルをクルクル回して30″のつぎにくる”bulb”と書かれているところに合わせます。ボディのみでそれをやってしまうと手ぶれの原因になるので、そこでレリーズが登場するわけです。
レンズは、標準ズームレンズでいいと思います。広角だとちょっと広すぎちゃったりするのと、花火が小さく映りがちなので、例えば、D7200とかで撮影するのであれば、広角レンズを使う場合、クロップしてみるとかしてもいいかもしれません。DXのカメラであれば18-55mmの標準ズームレンズで十分かと思います。FXのカメラであれば24-70mmの標準ズームレンズで大丈夫ですね。
広角レンズで撮影した一枚↓↓↓
かなり広く撮れ過ぎちゃっているのがわかります。これはこれでいいのかもしれませんが、もっとクロップできるので、レンズは標準ズームを使うといいと思います。
余談ですが、オリンパスのPENシリーズやOM-Dシリーズにはライブコンポジットというカメラ内で比較明合成を作ってくれる仕組みがあり、シャッタースピードをLIVECOMPにすることにより、レリーズを押してる間、比較明合成を作ってくれるので、こちらについては、白飛びの心配もあまりなく、背面液晶を見ながら、ご自身のお好みで花火を撮ることができる非常に便利な機能かと思いますので、オリンパスのカメラをお持ちの方はこちらを利用されるといいかと思います。
撮影方法
実際の撮影方法ですが、ドーンとなった瞬間にレリーズのボタンを押し、花火が開ききったタイミングでレリーズを離すといいのですが、これがけっこう慣れが必要でして、最初はうまく撮れなかったりします。
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この写真はトキナーのAT-X 116 PRO DXⅡという広角レンズで撮影したものです。ご覧いただいておわかりのとおり、かなり広すぎました。撮影には標準ズームレンズで大丈夫です。
こういうケースではPhotoshopなどでトリミングをするのも手ですね。
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うまくタイミングが合うと打ち上がった瞬間から花火が開くまでを一枚の写真に収めることができます。
何回かやってるうちにコツがつかめてくると思いますので、たくさん撮りましょう。通常ですと、区長のあいさつとかがあって、そのあと打ちあがりますので、最初のうちは練習がてら撮影するといいと思います。都内の花火大会では1時間程度の打ち上げ時間がありますので、三脚の立てられる場所さえきちんと確保ができていれば、ある程度の写真は撮れるかと思います。あきらめずに撮影しましょう。
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標準ズームレンズで撮影しました。ちょっと場所が悪いですが、ひゅーん、ドカーンというのが一枚に収まっています。
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風がなければもう少しキレイに撮れたのではないかと思われます。
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日中の暑さに加え、日が落ちてからは川面を通ってきた風が冷たく、体調を悪くする原因にもなりますので、熱中症の対策に加えて、寒さ対策もしっかりする必要があります。
まとめ
ワタシの経験上ですと、隅田川の花火大会は場所取りが難しく、あまりおススメではありません。観覧席から打ち上げ場所の近い足立の花火や板橋の花火大会ですと、午後2時前くらいに現地に到着するようなイメージであれば、ある程度の場所は確保でき、おススメです。ご自身が座るスペースに加え、三脚を立てるスペースを確保しないといけないので、畳2帖分くらいのわりと大きなレジャーシートがあると2~3人でいったとしても、三脚を立てるスペースは十分に確保できました。
注意事項としては、帰りの公共の交通機関は相当混雑します。板橋の花火とかですと、ふだん土手から高島平駅までは15分とか20分くらいで歩けるかと思いますが、花火大会の日などは、警備員さんの誘導に従って1時間くらいかけて駅まで歩くようになります。電車もゲキコミですので、みなさま、心づもりして撮影に挑んでください。
カメラ初心者の方でもわりとカンタンに撮影することができますので、ぜひチャレンジしてみてください。きっとインスタ映えする写真が撮れますよ。