【バルブ撮影】空中に文字を書く

空中に文字を書く

懐中電灯とデジタル一眼レフカメラがあれば、わりとカンタンに空中に文字を描くことができます。シャッタースピードをバルブにして、さっそくやってみましょう。

 

バルブ撮影とは

そもそもバルブ撮影とは花火の撮影のときなどに使う、任意にシャッタースピードを決める特殊なシャッタースピードのことでした。

花火大会の撮影方法↓↓↓
花火クロップ 花火大会を撮影してみよう

似たようなシャッタースピードにTimeというシャッタースピードがあります。BulbもTimeも任意にシャッタースピードを決めることができますが、前者はシャッターボタンを押している間ずーっとシャッターが開きっぱなしになるモード。後者は一度シャッターボタンを押すとシャッターが開き、もう一度シャッターボタンを押すとシャッターが切れるモードです。ボディのシャッターボタンを直に押すと手ブレの原因になりますし、Bulbの場合、物理ボタンをずーっと押し続けないといけません。いずれの場合でもボディ本体のシャッターボタンを押すと振動がカメラに伝わってしまうので、こういったときにはレリーズを使うと便利です。レリーズはロック機構を有しており、それを使えばバルブ撮影時のシャッターボタン押しっぱなしという状況からは解放されます。また、iOSおよびAndroidOSに対応したニコンのWireless Mobile Utility(WMU)というアプリを使い、シャッタースピードをTimeにすることにより、レリーズを用いた撮影と同じようなことをすることもできます。

 

空中に文字を書く

空中に文字や画を描くということは、周りが暗くないといけません。ということで、キホン、撮影は夜になります。ポイントは背景も暗く、黒っぽいところを狙うということですが、ワタシのうちの周りにはなかなか撮影にいい環境のところがありませんでした。撮影している時間帯が早いということもありますが、今回のような撮影の場合、ほかの方に迷惑をかけることもありますので、できれば、例えば我が家の近所であれば、荒川土手の河川敷など、人気のない暗い場所で撮影できるといいですね。

ハート↓↓

空中にハートマーク

 

必要な機材

先にも述べましたが、シャッタースピードはBulbです。長時間露光することになりますので、三脚はマストアイテムです。レリーズもあればいいですが、なくても、スマートフォンがあれば代用できます。ボディの物理ボタンを直接押すのは辞めたほうがいいと思います。今回撮影して思ったのは、広角レンズが使いやすいということでした。今回はニコンのD5300というエントリーモデルのDX機を使いましたが、レンズは、トキナーのAT-X 116 PRO DXⅡという広角レンズを用いました。描く文字数にもよりますが、けっこう大きく動くことになりますので、こんなときは広角レンズが便利でした。

ということで用意した機材がコチラ↓↓↓

  1. デジタル一眼レフカメラ(今回はニコンのD5300)
  2. 三脚(今回はマンフロットのBefreeカーボンファイバー)
  3. 赤灯のつくヘッドライト(今回はエナジャイザーの赤灯のつくヘッドライト)
  4. レリーズ(今回はニコン純正のMC-DC2)

この4つです。赤灯のつくヘッドライトはクルマの光跡などを撮っていて、白っぽいヘッドライトより赤っぽいテールランプのほうがワタシ個人的に好きというだけのことです。赤のほうがキレイに見えるような気がしたので、赤灯のつくヘッドライトを用意しました。ワタシは星の撮影時に使う赤灯のつくヘッドライトを持っているので、それをそのまま使いましたが、持ってない方はマグライトなどと一緒にカラーセロファンを購入するといいと思います。青もたぶんキレイに写せるのではないかと想像しています。懐中電灯そのままの光でももちろん撮影は可能ですが、もうひと味加えるとおもしろいのではないかと考えています。そもそも、この撮影は、ふだんYouTubeで拝見しているカメラの学校のポストに着想を得て、というか、まるっきりマネなのですが、やってみようと思ったものです。

カメラの学校のポスト↓↓↓

カメラはFXでもDXでもどっちでも大丈夫ですが、FX機のほうが画角が広いので、撮影しやすいかもしれません。レンズは広角を使ったほうがラクなのではないかと思います。18-55mmでも撮れないことはないと思いますが、文字数が多いと画角からはみ出てしまう可能性もあるので、安心の担保として広角レンズを用いました。

空中に星マーク↓↓↓

空中に星マーク

 

設定

カメラにレリーズをつなげ、三脚にセットしたら、あとはピントを合わせてレリーズを押すだけです。

  1. マニュアルモード、マニュアルフォーカス
  2. ISO100、F8
  3. シャッタースピードはBulb

注意点としては、まず、ニコンの場合、中級機以上のカメラにはフォーカスモードセレクターというレバーがついています。マニュアルフォーカスで撮影する場合、このフォーカスモードセレクターをMにすることを忘れないようにしてください。故障の原因になるそうです。

フォーカスモードセレクターに関する過去の記述↓↓↓

スローシャッターで夜景を撮影してみよう

 

また、今回ワタシが使ったトキナーのAT-X 116 PRO DXⅡという広角レンズには手ブレ補正機構を有していないためレンズ側では特になにもしていませんが、ニコンの純正レンズなど、手ブレ補正機構を有したレンズをお使いの方は、これもオフにします。長時間露光をしていると、手ブレ補正機構が誤作動をすることがあるそうです。

ピントはヘッドライトを一回点灯させて、そこでピントを合わせました。今回は絞りをF8としましたが、動きが大きくなるようであれば、被写界深度はもう少し深くしてもいいと思います。

被写界深度とは↓↓↓

被写界深度 被写界深度とは

トキナーのレンズはフォーカスリングを動かすことによりオートフォーカスとマニュアルフォーカスを切り替えることができるクラッチ式のフォーカス機構になっています。今回のように光源が明るい場合、オートフォーカスでピントを合わせ、マニュアルフォーカスに切り替えるのがイチバンカンタンなフォーカスの合わせ方なのですが、厄介なのはこのクラッチ機構、AF時はフリーなのですが、MF時はフォーカスリングとして機能するため、AFからMFに切り替える際にピントにズレが生じやすいという欠点がありまして、AFである程度合わせてからMFに切り替えるというやり方がうまくいかないこともあります。というか、ほぼズレます。なので、トキナーのレンズをお使いの方ははじめからマニュアルでピントを合わせるほうがラクかと思います。

夜景撮影時においてマニュアルでピントを合わせるというのがイチバン難しいのですが、強い光源があるようでしたら、その光源を使ってピントを合わせるのがいいと思います。ライブビューを利用し、拡大鏡で大きくして、ピントを合わせるといいと思います。

 

撮影方法

準備ができたら撮影です。事前にピントを合わせた場所になにか目印をつけておくと、スムーズに撮影ができます。ホントは助手がいると撮影は非常にラクになりますが、ひとりでも可能です。レリーズをロックし、目印のところまで走って行き、懐中電灯を点灯させて撮影します。ひととおり書いたら、カメラのところに戻って、レリーズのロックを外します。WMUアプリを使っての撮影も可能かと思いますが、スマートフォンの画面が画角に入ってしまうと、その光もカメラは拾ってしまうので、画角の外でアプリのシャッターボタンを押し、ひととおり書き終わったら画角の外に出てアプリのシャッターボタンをもう一度押すかんじです。今回は文字を書いてみましたが、ポイントとなるのは横に移動する際の一歩。できるだけ大きく一歩動きましょう。撮影してみてわかったことですが、横に一歩が小さいと文字が重なってしまいます。

名前を書いてみました↓↓↓

空中に文字を書く

あと、一画ずつ懐中電灯はオフにしましょう。ずーっとつけっぱなしですと、文字がつながって見えてしまい、まあ、英語の筆記体とかならカッコイイのかもしれませんが、文字がつながって、解読不能になる可能性もあります。なので、キホン一画書いたら、懐中電灯をオフにし、二画目以降を書くときも一画ずつ懐中電灯の点灯消灯を繰り返す。次の文字に移るときには大きく一歩動く。ワタシが気になったのはこのくらいでしょうか?

 

注意点

露出の時間が長くなると、カメラに取り込まれる光の量が増えますので、白飛びの可能性も出てきます。真っ暗なところならいいですが、背景に外壁の白っぽい建物やたくさんの街路灯が入るような場所ですと、せっかく描いた文字も見えにくくなりますので、注意が必要です。様子を見ながらの撮影になろうとは思いますが、例えば思いっきり絞ってしまうとか、マイナス側に露出補正してみるとか、そういったことも必要になるかもしれません。

 

まとめ

今回は練習ということで、そのうち、夜景の撮影がてら再チャレンジしてみたいと思います。今回はふつうにアイレベルで撮影しましたが、夜空に向かい、ローアングルで撮影するというのもいいと思います。また、「丸描いてちょん♪」のドラえもんの絵描き歌ではないですが、文字だけではなく、比較的カンタンに描けそうな画もいいと思います。難易度は上がりますが、おもしろそうなので、みなさまもぜひ、チャレンジしてみてください。

 

 

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