反射との闘い|水族館での撮影方法

らんちゅう

ご自宅に水槽がある方であれば、一度はご自身の水槽を撮影されたことがあるのではないでしょうか?日中、水槽を撮影すると、水槽に自分が反射してしまい、ちょっと難儀に思われる方も多いかと思います。

 

 

ご自宅でも練習できる水槽の撮り方

ワタシはキンギョとメダカを飼育しているため、自宅には水槽が何本かあります。まず、必要な条件として、カーテンを閉めてお部屋を暗くするとか、夜に室内灯をつけずに撮影するとか、水槽の周辺を暗くする必要があります。そして、もうひとつ重要なのが、水槽に照明を取り付けるということです。通常上部照明を取り付けることが多いかと思いますが、水槽内を明るくするための照明が必要になります。水槽用の照明器具は赤や青など、いろいろな色で水槽を照らせるようになっているものもあるので、できればそういったものを選ばれるといいと思います。なお、水槽は60cmの水槽がスタンダードで、照明器具も60cm用のものが、イチバンバリエーションとしては多いでしょうか?お部屋を暗くし、水槽内だけが目立つ状態にすると、劇的に撮影がラクになります。水族館やアートアクアリウムもそうですが、暗い室内に水槽だけを目立たせるための照明がついていると思います。その状況を作り出すことがとっても大切です。

 

 

水槽にレンズをベタ付けする

ホントは隙間から灯りが入らないように忍者レフ板のようなものを使うと、かなり効果があるのですが、水族館でそれをやるとたぶん相当怒られます。ということで、レンズを水槽にベタ付けするということが大切になります。これで反射はかなり軽減することができます。

 

 

C-PLフィルターを用意する

C-PLフィルターとは反射光を軽減させるフィルターで、偏光膜というものが回転するような形状になっており、カメラに入ってくる光の進入角度と光量を調節して、反射の量を抑えることができるフィルターです。C-PLフィルターは光の入り具合を調節できるため、ガラスや水面などの反射を押さえる効果だけでなく、空気中のチリやホコリによる乱反射で白っぽくなる青空の色を変え、ハイコントラストな写真を作ることができ、ワタシの周りでも、ある種のレンズにはC-PLフィルターをつけっぱなしにしているという方もいるくらいです。ある種のレンズとは、DXであれば18-55mmの標準ズームレンズとか、35mmや40mmくらいの単焦点レンズ、FXであれば、24-70mmの標準ズームレンズや、ちょっと広角目のレンズになるでしょうか?例えば、DXのキットレンズである18-55mmのレンズや40mmマイクロはレンズ径が52mmなので、ひとつ持っていると、使い回しが利きますね。

 

Caution
上でも述べたとおりC-PLフィルターはフィルターの前面がクルクル回るような仕様になっていますので、つけっぱなしにして、レンズとの接合部にホコリなどが入り込んでしまうと固くなってしまい、レンズから取り外せなくなることがあります。輪ゴムなどを使って外す方法もあるようですが、専用の道具も出ていますので、そちらを活用されるのがいいと思います。また、レンズ周りには見えないホコリがかなり付着しており、レンズを汚してしまう可能性もありますので、ワタシとしては、撮影が終わった段階で、一度フィルターを取り外し、ブロアなどで吹いて、ホコリなどを落とし、必要に応じてレンズペンなどで、キレイにしてから保管するようにするといいと思います。

 

 

設定

動きの遅いおサカナであれば、日中の撮影と同様、絞り優先オートで撮影が可能です。フォーカスモードは3Dトラッキングにすると、被写体を追尾してくれますが、あんまり早いと追尾しきれなくなってしまいますので、シングルポイントAFで、被写体がフォーカスポイントに入ってくるのも待ったほうがいいかもしれません。解放気味で撮ってあげると、背景がボケ、被写体が浮き出てきて、いいかんじに見えます。ISO感度自動制御はオンにして、感度上限制御は6400くらいにしておけば問題ないと思います。ストロボは必ずオフにしましょう。

 

 

練習で撮ってみる

上述したような環境で、水槽内のキンギョを撮ってみると、こんな写真が撮れると思います。

 

ピンポンパール

ピンポンパール

熱帯魚の仲間になるのですが、国産のピンポンパールは真水で飼育することができ、越冬させることも可能です。ワタシはヒーターなしで飼育しています。

 

 

オランダ獅子頭

オランダ獅子頭

 

顔をドアップ

オランダ獅子頭

頭と体のバランスが非常にビミョーなキンギョです。ワタシは購入したタイミングで大きな個体のものを購入しましたが、5年くらい経過して、さらに大きくなりました。

 

 

実際に水族館に行って撮ってみる

ワタシの住まいからわりとカンタンにアクセスできる水族館はいくつかありますが、よく行くのは品川プリンスホテル内のアクアパーク品川か東京スカイツリーに併設されたすみだ水族館でしょうか?サンシャイン水族館やマグロの大量死でちょっと話題になった葛西臨海水族園もあるのですが、機会としてはアクアパーク品川とすみだ水族館が多い気がします。水族館に入ってみるとわかるのですが、キホン館内は暗くなっており、非常口の看板が水槽に反射したりして、自宅の水槽を撮影するよりは少し難易度が高くなっているかもしれませんが、キホン、自宅で撮影するとの同じように撮影が可能かと思います。

よくある失敗

ただ、クラゲの水槽や小笠原などの南海の深い海を再現した水槽は、照明もほぼなく、水槽自体が暗いので、ちょっと難易度が上がってきます。そういった水槽では水槽の中身を撮るのがけっこう難しいため、例えば、水槽の前に立っている人物を黒くつぶして、水槽の青を引き立たせるとか、ちょっと視線を変えた撮影方法もありかと思います。

手前に入る人物などの被写体をワザと黒くつぶしてシルエットにし、奥の水槽を引き立たせてみるというのも手です。

シルエットとして撮影

わざと黒つぶし

クラゲ

クラゲ

クラゲはいろいろな色の照明で照らされていたり、そのものが光ったりするので、ちょっと難しいですが、なんカットか撮ってみるといいと思います。クラゲは癒やし系の代表格でもあるので、多くの水族館が入口付近にクラゲの水槽を展示しています。カラージェリーといって、クラゲ自体に色がついた観賞用のクラゲも販売されていたりするので、ご興味のある方はカラージェリーを検索してみてください。塩水での飼育になると思いますので、淡水用の機材だとちょっと足りないものもあるようです。

キンギョの水槽

ちょっとブームになっているのがキンギョの水槽でしょうか?わりと、どこでもキンギョを展示していて、このような水槽はご自宅での練習の成果が出やすい水槽かと思います。キホン、うえから俯瞰して撮影するとか、水槽によっては、ご自宅と同じようにサイドから撮影することも可能ですが、丸くなったRの水槽などでは反射が出やすかったりするので、立ち位置を変えたり、C-PLフィルターを利用するなど、反射が消える角度を探しながらの撮影になってきます。

まずはデメキン

デメキン

キンギョの本を読むと初心者向けとかと書いてあったりしますが、わりと、飼育が難しかったりします。長年飼育できれば、げんこつほどの大きさまで成長させることができます。

らんちゅうの仲間桜錦

桜錦

ワタシも飼育していた桜錦。キレイなキンギョです。ワタシの場合、転覆病になってしまい、お星様になってしまいました。

水泡眼

水泡眼

わりと飼育のしやすいキンギョでした。黒い個体のものもいます。日本橋のアートアクアリウムではキャリコ(5色)の水泡眼を見たことがありました。非常に珍しいものだと思います。

らんちゅう

らんちゅう

らんちゅうはキンギョを飼育される方ならおそらく憧れる個体です。大きくするにはえさやりと水換えを毎日のようにつづけるといいらしいのですが、まあ、そんなにカンタンではありませんでした。ワタシが飼育していたものは卵を産み、その卵を食べて、調子が悪くなったのでしょうか?2対ともお星様になってしまいました。産卵したら、キンギョを隔離というふうに思っていたのですが、産卵の時間もわからず、あるタイミングで突然産卵するので、とても難しいですね。

 

 

イルカショーを撮ってみる

アクアパーク品川ではイルカショーを行っています。プロジェクションマッピングを手がける会社NAKEDとのコラボレーション企画なのだと思いますが、これはけっこう撮影が難しかったりします。まず、暗いこと。そして、プロジェクションマッピングが明るいこと。さらに、イルカの動きが速いこと。この3点が撮影をとても難しくしている原因です。鴨川シーワルドのように屋外プールでのイルカショーの場合、純粋にシャッタースピードをあげて撮影すれば済む話なのですが、アクアパーク品川のイルカショーは逐次室内の明るさが変わり、暗くなったところでイルカがジャンプしたりするので、現場でなんどか撮影してみるというのが必要になってきたりします。ちなみにですが、シャッタースピードは1/1000より早いほうがいいと思います。ホントは1/4000とかで撮影したいのですが、屋内の暗いプールの中ではたぶん暗すぎてムリなのではないかと思われます。水しぶきがピタッととまるため、カッコイイ写真になるのですが、屋内施設でこれをやろうとすると、光が足りなくなります。ワタシの場合、マニュアルモード、オートフォーカス、手ブレ補正オンにして、シャッタースピードをまず1/1000とかにして、F値は8とかにして、ISO感度自動制御の感度上限制御の数値を大きくしてシャッタースピードを稼ぐ作戦で行っています。絞りはとくに解放とかでもいいのですが、イルカが一斉にジャンプするタイミングがあったりしたときに、手前のイルカから奥のイルカまでピントがきていたほうがいいので、F8とかF11とかそれくらいにすることが多いでしょうか?このときもC-PLフィルターをつけていると、水しぶきの乱反射を抑えることができるので、効果を期待することができますが、C-PLフィルター自体も暗いので、痛し痒しのところもあります。

シャッタースピード不足

イルカピンボケ

イルカジャンプ

イルカジャンプ

これでシャッタースピードが1/800。もう少し速いシャッタスピードで撮りたいところでした。

イルカの立ち泳ぎ

イルカ立ち泳ぎ

屋内でも照明がともっているとかなり撮影はしやすくなります。

ペンギンの赤ちゃん

ペンギンの赤ちゃん

ペンギンの撮影は動物園で撮影するより圧倒的に水族館で撮影するほうがラクですね。

水中を泳ぐペンギン

水中を飛ぶペンギンも撮影することが可能です。

 

まとめ

ご自宅に水槽があり、キンギョやメダカを飼育されている方は、まず、その水槽で練習してみるといいと思います。水草などのアクアリウムといいますか、テラリウムみたいなものを作成されている方は、パールグラスなどの水草のてかり方が変わってきますので、ぜひ、C-PLフィルターを用いて撮影してみてください。事前に練習をしておくことで、かなり、水族館での撮影がラクになると思います。ご自宅に水槽をお持ち出ない方も、C-PLフィルターを買ってみて、バケツにためた水を撮ってみたりすると、C-PLフィルターの効果を体験することができると思いますので、とりあえず、1枚購入してみてください。けっこう、いろいろなところで使えるかと思います。

 

 

 

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