望遠レンズの使い方

はじめてデジタル一眼レフカメラを購入する方の多くは、レンズキットやダブルズームキットなど、レンズとセットで購入する方が多いのではないでしょうか。ワタシもそうでした。多くの初心者の方が使われるであろうDXフォーマット、APS-Cセンサーのカメラの場合ですと、レンズキットの場合、焦点距離が18-55mmのいわゆる標準ズームレンズというレンズがキットレンズでついているかと思います。ダブルズームで購入すると、55-300mmとか70-300mmとか望遠ズームレンズがのもう一本ついてきます。

 

 

 

望遠レンズとは

ニコンのホームページによれば、撮影範囲が50mm前後のものを標準レンズと定義しており、この50mm というのはFXフォーマット、つまり、フルサイズカメラのことですが、このレンズを基準にしていて、DXフォーマットのレンズの場合、レンズ記載の焦点距離を1.5倍した数値がFXフォーマットに準拠した焦点距離となります。18-55mmの標準ズームレンズは、それぞれ1.5倍すると、27mm、82.5mmと50mm前後というのにはちょっとざっくりしすぎた数値となりますが、まあ、ある程度広角域から、ちょっと望遠域までをカバーできるレンズということになります。

 

参考 Lesson1:ズームレンズ出典:ニコンホームページ

 

 

標準ズームレンズは使い勝手もよく、ふだんのスナップ写真や風景などいろいろなことに使えて大変便利ですが、遠方を撮ろうとすると、「あれ?ここまでしかよれないや」ということがわりとあったりして、ちょっと短さをかんじたりします。そんなときに役立つのが望遠レンズです。

 

 

ニコンの場合、70-300mmとかがダブルズームのキットレンズとなっています。先に述べたとおり、FXフォーマットで50mm前後のものを標準と呼ぶので、70-300mmの場合、それぞれ1.5倍すると105mm、450mmと50mmを大きく上回る数値となります。70-300mmはズームのできるレンズですので、望遠ズームレンズにカテゴライズされます。

 

 

例えばこのレンズ↓↓↓

 

ダブルズームキットの望遠ズームレンズです。

このレンズの正式名称はAF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VRといいます。

詳細は別の記事に譲りますが、55-300mmというのが焦点距離で、広角端が55mm、望遠端が300mmの焦点距離を持つ望遠ズームレンズということがわかります。

 

レンズカタログ レンズカタログの読み方を知ろう|交換レンズの選び方

 

こんなレンズもあります

ちなみにですが、広角域から望遠域までを一本でカバーするレンズも存在し、例えばニコンですと18-300mmとか、タムロンですと18-400mmというのもあります。これらは高倍率ズームレンズと呼ばれ、旅行とか荷物が多くなるときには便利な一本ですね。これ一本持っていれば、レンズ交換の必要もなくなりますし、わざわざレンズを2本持ち歩く必要もなくなります。ただ、デメリットも存在し、暗所に弱いとか、ピントが甘いとか、値段が高いとか、それぞれマイナスな部分もあります。ガチで遠征に行くのであれば、それなりに装備をしなければいけないと思いますが、カジュアルにということであれば、高倍率ズームレンズは一本持っていてもいいかもしれません。

 

 

 

今回のテーマ、望遠ズームレンズの使い方ですが、まず、遠くにある被写体を撮る。これは間違いありません。月を撮影したりするときには望遠ズームレンズがあるととてもいいですね。遠くにいる人物や、近づけないところにある被写体に、ズームしてよって撮影するということもできます。

 

満月

↓↓↓

この写真は望遠ズームレンズで撮影したものをPhotoshopでトリミングしています。

 

 

望遠ズームレンズには上記以外にも使い方があります。

ボケを作る

まずは、ボケを作ること。

ボケを作ることによって、被写体が浮き立って見えるようになります。ボケの理屈は、遠くを見つめ、視線の間に人差し指を入れてみたときに人差し指がボケて見える、つまり、手前ボケですが、この現象とまったく同じことです。この状態で人差し指をハッキリ見ようとすると、こんどは周辺がボケて見えます。望遠ズームレンズでは、この理屈から、ボケをコントロールすることができます。

 

 

ボケ

↓↓↓

ちょっとわかりづらいですが、ヒヨドリを中心に手前のサクラの花と枝、奥のサクラの花がボケています。

 

 

金網を消す

そしてもう一点。手前にある柵を消すこと。

これも、ボケを作る理屈とまったく同じで、遠くに視線を合わせ、視線の間に人差し指を入れます。入れた人差し指を自分の顔のほうによせると、人差し指がかなりボケて見にくくなります。人差し指を鼻の頭のあたりまで持ってくると、ほぼ見えなくなりますね。

 

 

ハシビロコウ↓↓↓

かなり金網が目立ちます。

金網にもっと近づいて撮影してみると・・・

↓↓↓

金網は目立たなくなりました。

 

 

これは、例えば、動物園での撮影など、手前に柵がある状態のときにかなり有効な手段になると思います。上手に柵を消すにはできるだけ柵にレンズを近づけることです。

 

以上の2点の撮影においてはF値を開放にして撮影することが条件となります。F値は大きくすると、ピントの前後まで合焦してしまいますので、ボケが作れなかったり、柵が思った通りに消えなかったりしますので、F値は一番小さな数値になるようにしてください。望遠側で撮影すると、F値が通しのレンズでない場合は、F値はどんどん大きくなっていきますが、その状態の一番小さな数値を設定するようにしましょう。通常ですと、ダイヤルをまわして、数値を小さくしていき、それ以上小さくならないところまで回せばOKです。

 

 

圧縮効果

望遠レンズを使ってもうひとつできることがあります。

それは圧縮効果。

これは、説明が非常に難しいのですが、手前と奥の距離感を喪失させるといえばいいでしょうか?

いい写真ではありませんが、ちょっと見てみてください。

↓↓↓

不忍池を撮影しました。計測した結果、撮影場所から弁天堂までの距離は約200m、弁天堂からうしろのマンションまでの距離は約500mあります。うしろのマンションは20階建てくらいの大きなタワーマンションですが、弁天堂とあまり大きさが変わらなく見えるというか、弁天堂がかなり大きくかんじます。ポイントはまず手前の弁天堂までの距離、そして、うしろのマンションまでの距離にあります。撮影場所から弁天堂までの距離が離れれば離れるほど、圧縮効果が強く出ます。これは望遠レンズに限った話ではなく、実は、ほかのレンズで撮影して、フォトショップなどでトリミングをしても同様の効果が得られるので、望遠レンズで取り上げる必要のない話なのかもしれませんが、望遠レンズを使うと、圧縮効果が効きやすいといいますか、効果を実感しやすいので、この項目で取り上げさせていただきました。

 

先にも述べたとおり、圧縮効果の効いた写真を撮影するには撮影場所から手前側の被写体までの距離がある程度離れていること。そして、手前の被写体から奥の被写体が離れていることが条件となります。このふたつが合わさると、圧縮効果を実感できる写真になりますので、ぜひお試しください。

 

 

 

まとめ

ということで、今回は望遠レンズの使い方について話をしてみました。いろいろなところで望遠レンズを使って撮影されている方を見かけますが、こういった効果を狙った写真を撮っているのかもしれませんね。

 

 

ダブルズームキットを購入されたら、月の撮影も楽しいですが、以上のような別の使い方もできますので、ぜひ撮影の参考にされてみてください。

 

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