設定を知ろう|デジタル一眼レフカメラの使い方

モードダイヤル

デジタル一眼レフカメラを購入すると、モードを切り替えて撮影を楽しむことができます。これはデジタル一眼レフカメラに限らず、マニュアルモードの使えるコンパクトデジタルカメラにもいえることですが、様々なシーンに合わせてモードをコントロールすることにより、印象的な写真を撮ることができます。

 

 

カメラの役割

写真とはレンズなどを通じて光を結像させたもの。デジタルカメラの場合、光を結像させる装置をCMOSセンサーとかCCDイメージセンサーなどと呼びますが、カメラはその光を捕らえる装置です。カメラに入ってくる光の量をコントロールすることにより、撮影者が意図した写真に仕上げることができます。カメラに入ってくる光の量をコントロールする要素は3つあります。そのうちのふたつはカメラ本体でコントロールしますが、ひとつはレンズを使ってコントロールします。

カメラにはモードダイヤルというのがついており、このダイヤルを回すことにより、光がどのように入ってくるかを任意にコントロールすることができるようになっています。

モードダイヤル↓↓↓

今回はA、S、Mを中心に書きたいと思います。なお、PとAUTOについては、ワタシはほぼ使っていませんが、便利なモードですので、触り程度に書きたいと思います。ちなみにAは絞り優先オートの略、Sはシャッター優先オートの略、Mはマニュアルモードの略です。

 

 

 

絞り

人間の目はよくできていて、暗いところに行くと瞳孔が広がり、灯りを多く取り込もうとしますし、明るいところに行けば瞳孔が小さくなり、明るすぎる状況でもモノがキチンと見えるように調節してくれています。レンズでの明るさ調節も人間の瞳と同じ原理で、レンズでイメージセンサーに入ってくる量を調整することができます。これを絞りといい、F値という数値で表します。F値の数列は覚える必要がありませんが、数値が小さいほど、光を多く通す、つまり、瞳孔が開いた状態ということで、数値が大きくなると、光が少ししか入ってこない、つまり、瞳孔が小さくなった状態になります。ナゼ、レンズで光量を調整するのかといえば、例えば星空の撮影のときなどでは、光の量がとても少ないので、カメラに光を多く取り込む必要があったりします。淡い光を多く取り込むときには絞り値を小さくして、多くの光を取り込みます。

 

星空を撮影してみよう

 

暗がりから明るいところへ出ると、一瞬、真っ白になって、なにも見えなくなることがあります。この真っ白くなる状況を写真の世界では白飛びなんていいます。これとは正反対に夕日を背景に人物などを撮ったりすると、被写体が影のように黒く写ってしまったり、明るいところから暗がりに行ったりすると、しばらく目が慣れず、あたりが見えづらくなったりします。このような状況の写真のことを黒つぶれなんていったりします。レンズの絞りは絞り羽根といって、羽根が開いたり閉じたりすることにより、穴の大きさを調節して、カメラにどのくらいの量の光が入ってくるかを調整してくれています。

絞り羽根のイメージ↓↓↓

IllustACというサイトからダウンロードさせていただいた、絞り羽根のイメージです。作者の方、ありがとうございます。使わせていただいております。

 

参考 無料イラストなら「イラストAC」出典:イラストAC

 

余談ですが、夜景を撮影すると、絞りにより光芒という光のギザギザを作ることができます。これは、絞り羽根の隙間を通った光が作り出すものですが、この光芒には絞り羽根の枚数が関係しています。絞り羽根が偶数の場合、その数の光芒が出て、絞り羽根が奇数の場合、その倍数の光芒が出ます。

光芒↓↓↓

光芒

また、絞り羽根のかたちがかくかくしているものですと、かくかくしたボケになりますが、絞り羽根が丸いと丸いボケを作れるようになります。このあたりはレンズカタログに記載がありますので、レンズカタログを見る際には気にして見るようにするといいと思います。

 

 

レンズカタログ レンズカタログの読み方を知ろう|交換レンズの選び方

 

 

ニコンの場合、撮影モードダイヤルには「A」という記載があります。

コレ↓↓↓

絞り優先オート

キヤノン機の場合、Avという記載になるようですが、コレはAperture Valueの略語です。絞り優先オートモードを使うことにより、撮影者がF値を任意に設定し、レンズを通して入ってくる光の量を調節することができます。カメラは適正露出になるようにシャッタースピードを決めてくれます。

ワタシはキホン、この絞り優先オートで撮影しています。ワタシの中では、ほぼ、オートと同じ状態です。

絞りには被写界深度といって、どのくらいの範囲でピントが合うのかという、とても大切な役割もありますので、これは別の記事で改めて書きたいと思います。

 

 

 

シャッタースピード

つぎにカメラ本体で光の量を調節する方法ですが、まず、シャッタースピード。

シャッタースピードが早ければ早いほど、光を取り込む時間が短くなります。光を取り込む時間が短くなるということは写真が暗くなるということです。シャッタースピードを遅くすると、光が入ってくる時間が長くなるため、多くの光をカメラに取り入れることができますが、ワタシの場合、30分の1秒より遅いシャッタースピードだと手ブレしてしまいます。星空の撮影もそうですが、夜景撮影のときなど、カメラに光を多く取り入れるために、シャッタースピードを遅くするときは、三脚が必要になったりします。ちなみにカメラの表記で「30」は1/30秒のこと。30秒は「30”」と表示されます。

 

スローシャッターで夜景を撮影してみよう

 

 

シャッター優先オート

水しぶきを撮影したりするときはこのシャッター優先オートが便利です。イルカショーや運動会など、動きのある被写体を撮るときに使うモードです。撮影者がシャッタースピードを選び、適正露出になるようにカメラが絞り値を決めてくれます。先にも述べたとおり、シャッタースピードを早くすれば早くするほど、カメラに取り込む光の量が少なくなるため、写真が暗くなってしまいます。晴天時の運動会などでは別段問題になりませんが、薄暮時や屋内での撮影のときなどでは注意が必要です。

ニコン機のモードダイヤルでは「S」という表記ですが、キヤノン機の場合「Tv」という記載になります。コレはTime Valueの略語です。

被写体を完全に止めて撮りたいのであれば、シャッタースピードを早くする必要がありますが、いわゆる流し撮りのように、背景を流して、被写体だけを止めるのであれば、被写体の動きに合わせて上半身を回すようなかんじで撮影するといいと思います。そのとき、シャッタースピードはワタシが手ブレする1/30より遅いシャッタースピードでOKです。レリーズモードは高速連写モードがオススメ。たくさん撮った中からベストショットを探すくらいの感覚でやるといいと思います。

あんまり流れていませんがこんなかんじ↓↓↓

イルカショー

イルカに乗っている女性にピントを合わせて観覧席をブラして撮影したものですが、ちょっとシャッタースピードが早かったのと、あまり大きくカメラを振っていないため、あまりブレませんでした。

 

 

 

マニュアルモード

マニュアルモードは絞りとシャッター速度を撮影者の任意で決められるモードのことです。絞り優先オートとシャッター優先オートはいずれかを撮影者の任意で決められるモードでしたが、マニュアルモードはいずれも撮影者が任意で決めないといけません。そのため、撮影の敷居が高くかんじられるかもしれませんが、ワタシは、キホン絞り優先オートしか使うことがなく、マニュアルモードを使うシーンというのはごく限られたシチュエーションのみですので、限られたシチュエーションの設定のみを覚えていさえすれば、問題ないといいますか、いつもどおり撮影をすることができますのでご安心ください。

マニュアルモード↓↓↓

マニュアルモード

ちなみにですが、マニュアルモードとマニュアルフォーカスを混同されている方もいらっしゃるようなので、ちょっとご説明すると、マニュアルモードは先ほども申し上げたとおり、シャッタースピードとF値を任意で決めることのできるモードのことで、オートフォーカスには関係がありません。マニュアルフォーカスとは、ピントを撮影者が任意で決めることを指し、露出とはまったく関係がありません。マニュアルフォーカスはピントをある一点に置いておきたいときに使い、このときのモードは絞り優先オートでも、シャッター優先オートでもなんでもかまいません。もちろんマニュアルモードでも大丈夫です。オートフォーカスですと、ピントが動いてしまう可能性があるので、それを排除したい状況のときにはマニュアルフォーカスを使います。

ちょっと蛇足でした。

では、実際マニュアルモードを使うシーンがどれくらいあるのか?というと、ワタシの場合、夜景の撮影と星空の撮影。これくらいでしょうか?あとはわざと、写真になにかしたいときとかですね。ちなみに、夜景の撮影も星空の撮影も、フォーカスモードはマニュアルです。そうなんです。マニュアルモード、マニュアルフォーカスで撮影するのは、ワタシの場合、夜景や星空といったところで、あとは、キホン絞り優先オートで撮影しています。ということで、マニュアルモードだから大変とかそういうことではありません。

 

 

 

ISO感度

カメラに入ってくる光の量をコントロールする要素のひとつは絞り、もうひとつはシャッタースピードでした。最後、3つめの要素がISO感度です。デジタルカメラの場合、ISO感度とはカメラが光を捕らえる能力を指す数値です。この数値が大きければ大きいほどカメラが光を大きく捉えることができるということになります。そして、ISO感度とシャッタースピード、絞り値はそれぞれ相関関係を持ち、例えば、絞り優先オートの場合、撮影者が絞り値を決めると、カメラは適正露出になるシャッタースピードとISO感度を決めてくれます。シャッター優先オートにすれば、シャッタースピードを撮影者が決め、カメラはISO感度と絞り値を決めてくれるといった具合に、それぞれが相互の関係性を持っています。

 

ご注意
ISO感度はカメラに任せず、撮影者の任意で決めることもできます。

 

近年デジタル一眼レフカメラの高ISO感度化が進んでおり、例えば、ニコンのD850などは、常用ISO感度では64〜25600となっていますが、拡張ISO感度を使うと、ISO32〜102400というものすごい数値でISO感度設定をすることができます。ISO感度を上げれば、暗いところでも、日中のように撮影することができますが、ISOを上げすぎると、写真にざらつきが目立つようになります。これをノイズと呼んでいますが、写真を大きく拡大したときとかにはとても目立つものなので、意図した撮影以外のときは、ワタシは6400くらいまでしか上げません。6400なら大丈夫ということではなく、ワタシとして、6400を仕切り値にしようと自分で決めました。

ニコンのデジタル一眼レフカメラにはISO感度自動制御という設定があり、例えばベースのISO感度を100、制御上限感度を6400などと設定し、オートISO感度でISO感度が動ける範囲を指定することもできます。

 

 

ワタシ個人的に使うモードの順位は・・・

  1. 絞り優先オート
  2. マニュアルモード
  3. シャッター優先オート

こんなかんじの順番になります。というか、ほとんど、絞り優先オートで、少しマニュアルモード、シャッター優先オートはほとんど使いません。

ワタシの場合、キホンISO感度上限制御をオンにし、感度自動制御は6400、絞り優先オートで、絞り値だけを変えて撮影していることがほとんどです。

 

 

残りのモードの使い道

まず、AUTO。とりあえず撮るというときに使えます。絞り値やシャッタースピードはすべてカメラが決めてくれます。つまりフルオートですね。ピントが合っていればシャッターが切れます。確認していないのでわかりませんが、ニコンの場合、上位機種にはこのフルオートの機能はなさそうです。ワタシの持っているD850にはありませんでした。

つぎにP。プログラムオートといいます。これも、キホン、カメラが全部決めてくれますが、プログラムシフトといって、露出を一定にしたまま、撮影者が絞り値とシャッタースピードを任意で決めることもできます。

使い道がないわけではありませんが、というか、まったく使っていません。こんど機会を設けて、フルオートやプログラムオートでも撮影してみたいと思いますが、なにか別の設定を作って比較してみないとわからなさそうな気もします。

D7200などにはEFFECTSというモードがあり、この中にはパートカラーだとか、ミニチュアフィルターだとか、そんなのが入っていたりします。このへんはお遊びで使ったりするのにはいいかもしれません。ミニチュアフィルターで撮影した写真をカメラで確認すると設定が見られるので、マニュアルモードでその設定と同じように設定してあげると、ミニチュアフィルターと同様の写真を撮ることができたりもしますので、設定を学にはいいかもしれません。

 

 

けっきょくISO感度はどうする?

今回は絞りとシャッタースピード、ISO感度の相関関係について書きました。すべてを任意でいじるにはマニュアルモード、絞りをいじるには絞り優先オート、シャッタースピードを任意で決めて、あとはカメラに任せるシャッター優先オートがあることがわかっていただけたかと思います。

まとめますと、ワタシの場合、キホン絞り優先オートで撮影し、ISO感度は100、感度自動制御は「ON」にし、制御上限感度は6400。設定で困られている方は、これで試しに撮影してみてください。わりとなんでも撮影できると思います。

感度自動制御を外すケースとしては、夜景の撮影、滝の撮影、あと星空の撮影とかそんなかんじでしょうか?すべてスローシャッター系ですね。そのうち星空以外はISO100で、星空については、ケースバイケースですが、山の上で撮る場合などでは3200とかで撮っていることが多いような気がします。これらケースの場合、マニュアルモード、マニュアルフォーカス、手ブレ補正オフとなります。

 

 

個別の撮影方法などについては、随時書いてみたいと思いますので、その際にはまた、ペタペタと記事にリンクを張ってまいりますので、併せてお読みいただけると幸いでございます。

 

 

 

 

 

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