ハイスピードシャッターでウォータークラウンを撮ってみる

クラウン04

なんぶんの1秒からハイスピードシャッターと呼ぶのか?特に定義はないようですが、動いているものをピタリと止める程度のスピードのことをハイスピードシャッターというようです。デジタル一眼レフカメラが得意とする分野ですね。今回はこの機能を使い、ウォータークラウン撮影してみたいと思います。

 

ウォータークラウンとは

ウォータークラウンとは水面に水滴が着水するときにできる王冠状の模様というか形状のこと。Googleで検索するとたくさんのウォータークラウンの画像が出てきますので、一度検索してみてください。

 

今回の撮影で用意したものおよび機材

今回はニコンのD7200というDXフォーマットのボディとAF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRというレンズを用い、撮影しました。

用意したもの↓↓↓

機材ほか

  1. ニコンD7200(ボディ)
  2. ニコンAF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR(レンズ)
  3. ベルボンULTRA553mini(三脚)
  4. ニコンSB-700(クリップオンストロボ)
  5. ニコンMC-DC2(レリーズ)
  6. アクリルケース(100均)
  7. 青の色紙(100均)
  8. お椀(100均)
  9. スプーン(100均)

カメラ機材以外は100均ですべてそろいます。撮影してみた結果ですが、色紙は青でなくても大丈夫だと思いますが、キレイに見せるのであれば、青がいいかなーといったイメージです。例えば、水槽の下敷きにする黒いシートがご自宅にあるのであれば、それを使うというの手かと思います。

のちほど説明いたしますが、クリップオンストロボはあったほうがいいでしょう。内蔵ストロボでもなんとかなるのかもしれませんが、光量がぜんぜん違うのと、早いシャッタースピードには対応しきれないというのがありそうです。ちなみに晴天時屋外で撮影するのであれば、クリップオンストロボも必要なくなるかもしれません。ワタシが撮影したのは屋内でしかも雨の日の夜でしたので、確実にクリップオンストロボが必要な状況でした。

今回はニコンのDXの中級機D7200を使用しました。手元にはニコンのエントリー機、D5300もありますが、D5300ですとシャッタースピードが1/4000までしか上げられなかったため、それより早いシャッタースピードを得られるD7200を使用しました。D7200ですと、1/8000までシャッタースピードを上げることができます。このあたりの設定のお話しものちほど改めていたします。

 

設定

クリップオンストロボを使うにあたり、カメラをちょっといじる必要がありました。

まず、連写撮影するのでレリーズモードはCHにする必要があります。

ココ↓↓↓

レリーズモード

 

そしてもうひとつ。クリップオンストロボを使うにあたり、デフォルトの設定ですと、シャッタースピードが1/250までしかあがらないようになっているので、この設定を解除する必要があります。

カスタムメニューから「e フラッシュ・BKT撮影」を選択し、「e1 フラッシュ撮影同調速度 1/250」を「1/320 秒(オートFP)」にします。

カスタムメニュー↓↓↓

カスタムメニュー

 

e フラッシュ・BKT撮影↓↓↓

フラッシュ同調速度

 

オートFP↓↓↓

オートFP

 

「1/250 秒(オートFP)」でも大丈夫だと思いますが、ワタシは1/320秒のオートFPを選びました。ポイントはこのオートFPという設定で、コレを選ばないと、マニュアルモードを選んだとしても、シャッター速度が1/250秒に制限されてしまいます。正式な名称はオートFPハイスピードシンクロといい、スピードライト使用時に同調速度より設定するシャッタースピードが早くなったときに、早いほうのシャッタースピードに合わせてくれる技術です。シャッター速度をあげたいときはこのモードを選ばないといけません。

先にここまでやっておいて、今回の設定。

  1. マニュアルモード、マニュアルフォーカス、手触れ補正オフ
  2. 三脚にカメラを設置
  3. カメラにクリップオンストロボを取り付け
  4. カメラにレリーズを取り付け
  5. ISO100、制御上限感度6400
  6. F8
  7. シャッタースピード1/8000

今回はシャッタースピードをD7200の最高速度である1/8000秒に設定しました。1/8000だから撮れる画というのを見てみたいと思い、このスピードを選びました。おそらく、1/250でもウォータークラウン自体は撮れるのだと思いますが、シャッタースピードを早くしたほうが、撮れる可能性が高くなるので、1/4000までしかシャッター速度をあげられないD5300ではなく、1/8000までシャッター速度をあげられるD7200を選択しました。

シャッタースピードを早くするということは写真が暗くなるということを意味し、暗くならないようになにかで補わないといけません。今回、F値は8に固定しましたので、ISO感度をあげて稼ぐのと、クリップオンストロボのFP発光でシャッター速度が早いぶんの光量を補っています。

スローシャッターで夜景を撮影してみよう モードダイヤル 設定を知ろう|デジタル一眼レフカメラの使い方

ちなみに、ストロボの出力をガイドナンバーという数値で示します。キホン、なんの断りもないときは、ISO100のときのガイドナンバーをいいますが、SB-700はガイドナンバーが28。一方D7200についている内蔵ストロボはガイドナンバーが12。SB-700のほうが2.3倍ほどパワーがあることがわかります。数式の中に√が出てくるので、数字が苦手な方にはイヤなかんじがするかもしれませんが、この√の中はなんの断りもなければ、ISO感度が100のときは1、400のときは4となりますので、キホン整数の計算ということになり、わかりにくさはないと思います。このガイドナンバーで計算することにより、最大撮影距離なども算出することができますので、興味のある方はコチラをどうぞ。

参考 ガイドナンバー(カメラ)出典:Wikipedia

 

実際に撮ってみる

今回はこんなかんじにカメラをセットしてみました↓↓↓

撮影風景

先に撮ってみての感想ですが、水を入れてある透明ケースにはできるだけ水を入れないことがひとつポイントでした。トレイにはうすーく水を張る程度でOKです。上の写真の量だと多すぎました。1mmくらい水が張ってあれば大丈夫です。それからカメラの位置ですが、今回は上から水滴を撮るようにかなり下向きにしていますが、望遠レンズを使い、水の入ったトレイをちょっと斜め上から撮るようにしたほうがよかったかもしれません。水平ですと、おそらくトレイが反射してしまうので、トレイより上から撮るというのは正しいのだと思いますが、上の写真のように頭を垂れる必要もないようにかんじました。

 

まず、ちょっと現像した写真↓↓↓

クラウン現像

クラウンの中に小さなクラウンを見つけたので、ちょっとわかりやすいように現像しました。

あとはJPEGの撮って出しです。

クラウン02

 

 

クラウン03

 

 

 

クラウン04

 

 

 

クラウン05

 

レンズにあたらないように、クリップオンストロボの位置あたりからスプーンで水を垂らしていきます。片手にスプーン、片手にレリーズといったかんじです。今回はしませんでしたが、アクア用にスポイトをお持ちの方はそちらも使えるかもしれません。スプーンですとどうしても水のはねる量が多いような気がいました。キレイなクラウンを作るには垂らす水の量もちょっと関係がありそうですね。

あと、注意したい点としては、あまり、トレイにレンズを近づけると、垂らした水の跳ね返りでレンズが水浸しになってしまいます。できれば水しぶきがかからない程度に話して、18-55mmとかなら望遠端を、55-300mmとかならちょっと遠くから狙うとか、対策を講じる必要がありそうです。

 

まとめ

全体で449枚撮影しましたが、キレイなクラウン状に撮れたものは一枚もありませんでした。上の5枚はまあ、ウォータークラウンっぽくみえるというものの一部で、これらは、15枚ほどありましたので、割合としては3.3%ほどということで、100枚撮ると3枚くらいは上記のような写真が撮れるようなかんじでした。時間的には1時間も撮影をすれば、上記程度の枚数は撮影できますので、みなさま、ぜひチャレンジしてみてください。

先にも述べたとおり、もう少しカメラを水平にセットしてみたほうが撮りやすかったのかもしれません。あと、色紙も青以外に黒っぽいものでも、ストロボ発光しているので大丈夫なのかもしれません。クラウンを撮影されている方の写真を拝見すると、ものすごくステキなクラウンを撮っていらっしゃいますので、ワタシもめげずに撮影をつづけていきたいと思います。

 

クリップオンストロボは持ってないけど、撮影してみたいと思われている方もいらっしゃるかと思います。お休みの日の日中に近所の公園とかで撮影してみてください。太陽光がしっかり入れば、早いシャッタースピードでも問題なく撮影することができます。これからイチガンをはじめられる方は、こういう撮影をするためには入門機ではなく、中級機以上のカメラを購入されたほうがよろしいかもしれません。用途に応じたカメラを購入することが上達への近道ですので、FXなのかDXなのかも含め、ご検討なさるとよろしいかと思います。

LET’S ENJOY PHOTOGRAPH!

 

 

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